CLASSIFICATION

分類

ウサギ目Lagomorphaは,ナキウサギ科Ochotonidaeとウサギ科Leporidaeの2つの科(family)から構成されます。
品種(breed)は100種以上におよび、大きく2つの科に分けられます。

ウサギ科:長い耳を持ち、こんもりとした尻尾を持つ。
ナキウサギ科:耳が短く尻尾がほとんどない。

ペットショップで見られるウサギは、ウサギ科 アナウサギ属 Oryctolagus の中のアナウサギという種1種から品種改良されてきたウサギです。

特徴・生態

ウサギは毛がふわふわしていて、耳が長く見た目が可愛らしく幅広い年齢層に好かれる動物です。

臆病で怖がりな性格のため、小さな物音に驚いたりとても警戒心が強いですが、感情が豊かで行動や表情で感情を表し、人ともコミュニケーションをとることができる動物です。

ウサギは本来「薄明薄暮性」で、明け方と夕方に活動的になります。
草食動物のため、主に牧草を主食とし、歯が伸び続ける動物です。

寒い場所や暑い季節を苦手としているため、15~26℃程度の温度環境を好みます。

繁殖特性

ウサギの体重は1kgから10kgと種類によってかなり大きさは異なります。

寿命は8年から10年ほどで、ウサギの1歳=人間の20歳頃に相当します。

ウサギは犬や猫とは違い、1年中発情期のある動物です。
約4~5カ月で性成熟し、1日程度の発情休止期と10 日程度の発情期を繰り返します。
妊娠した雌はお腹や胸の毛と草を混ぜて巣づくりし、31~32日程度の妊娠期間を経て出産します。
1回の出産 で産子数は6~8匹程度です。

生理学的特徴

HEALTH CARE

健康管理

ご家庭で行う健康管理

体重管理・食欲のチェックしましょう
健康を守るためにも食べさせてはいけない食品や作物を把握し与えましょう。
フード(牧草・ペレット)は与える量を管理して、日頃から食欲があるか、偏食になってないかチェックをしましょう。
排便・排尿のチェックをしましょう
便・尿の回数や形や色などを把握することで、日々の健康チェックができます。
定期的にお手入れ(ケア)をしましょう
日々のケア(爪切り・ブラッシングなど)をすることで、皮膚の健康状態を保ちます。
またケアしながらボディチェックを日頃から行うことで、病気の早期発見につなげる事ができます。
コミュニケーションをとりましょう
日頃からコミニケションをとることで人に慣れ、ストレスのない環境が健康維持にもつながります。
また、コミュニケーションをとる事で定期的に健康状態をチェックしたり、病気やケガをしたときに処置や薬を服用しやすくなります。
動物病院で健康診断を定期的に行いましょう
病院での健康診断を定期的に行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。

年齢比較表

HUSBANDRY

飼育環境

ウサギはコミュニケーションをとる動物です。
コミュニケーションがとりやす場所に(リビング など)ケージを置くと、人に慣れやすくなったりコミュニケーションを深めることができます。
ただし、温度変化に弱い為、ストーブやエアコンの近く避け、ストレスとなるテレビや音楽機器から離れた場所にケージを設置してください。

また室内で遊ばせる場合は、ウサギは肉球が無い為、床をコルクマットやスポンジ素材など弾力のあるやわらかい素材にしたり、ケガの要因になる物や感電の恐れがあるコードを隠すなど工夫が必要です。

飼育ケージ

ウサギ用ケージが市販されています。
大きさは45×60cmほどのサイズが一般的です。
(新聞紙1ページ程度)

ケージ内に必要なもの

床材
メッシュ状の金網や硬いフローリングは足底潰瘍の原因になるため、柔らかい木やプラスチック等のスノコタイプの物が理想です。
エサ入れ、水入れ、牧草入れ
食器は不安定だとすぐにひっくり返されてしまうため、重い素材の器を用意した方が良いです。
ウサギは器、給水ボトルのどちらからでも水を飲むことができますが、給水ボトルを使った方がケージ内を濡らさず良いです。
(給水ボトルで上手に飲めない子もいるので、水の飲みが悪い時は器に変えます。)
エサ入れは、陶器・プラスチック・木など素材の種類も豊富なのでその子の性格に合わせて選んであげます。
トイレ
ウサギ用のトイレが市販されています。
トイレ砂とペットシーツを併用して使う事が多いようです。
ペットシーツを使用する場合には、間違って食べてしまわないようにネットなどのふたを兼用すると良いです。
ウサギは一箇所に場所を決めて排尿排便をする習慣があるため、トイレを覚えてくれます。
自分の住処には匂いを残さないきれい好きでもあるので、しつけに苦労しない個体が多いです。
かじり木
ストレスを少なくするためにケージ内にかじり木を入れます。
また、歯の過長の予防にもなります。
幼いころからいろいろな硬さ種類のかじり木を与えて習慣づけします。
その他
『潜る・隠れる・登る』ことが大好きな動物です。
かじっても安全な木製のキューブハウスやチモシー素材のハウスを入れてあげるのも良いです。
成長期(~1才まで)は、体の使い方がまだ上手ではないので、思わぬ所でケガをしたりします。
この時期はケージ内のレイアウトは、シンプルに安全に作ってあげます。

フード(エサ)

主に牧草(チモシー)をウサギに自由採取させ、補助的に「ペレット」を与えるのが望ましいです。
オヤツはコミュニケーションを図る手段として少量にとどめてください。

乾草(チモシー)
ウサギには低たんぱく質・高繊維・低カルシウムの観点から、イネ科の牧草(チモシー等)主に与えます。
成長期~は硬さがあり繊維質も豊富な一番刈りを与えるとよいです。しっかり噛んで食べることでうさぎの歯はすり減り、適切な長さに保たれます。アルファルファなどのマメ科乾草はウサギが好みますが、タンパク質・カルシウムの含量が高く、成長後のウサギには肥満や尿石症の恐れがあるので制限する必要があります。
ペレット(ラビットフード)
ハードタイプとソフトタイプとあり大きさや形にもバリエーションがあります。ハードタイプは歯の形状に合わせて選んで与えます。ウサギ用にミックスペレット(シリアルやマメ類が混合された製品)が市販で販売されていますが、好みの粒ばかりを選んで食べてしまう為、栄養バランスが偏るのでシンプルなペレットを与えた方が良いです。

CASE STUDIES

よくある疾病・治療例