CLASSIFICATION

分類

モルモットは、ネズミ目 Rodentia-テンジクネズミ科 Caviidae-テンジクネズミ属 Caviaに分類されます。

原種は定かではありませんが、古代インディオが野生のテンジクネズミ、パンパステンジクネズミ、アマゾンテンジクネズミを家畜化したのがモルモットの祖先と言われています。

特徴・生態

野生のテンジクネズミは南米大陸にのみ棲息し、草原、森林、岩場などで生活しており、夜行性の動物で、夜明けや夕暮れ時に採食を行い、5~10頭の群居性をもち、集団で暮らしています。

モルモットの性格は温和ですが、活発で好奇心旺盛、また環境の変化に敏感で臆病な部分もあります。
ただし人によく慣れ、飼育が容易なことからペットとして広まったポピュラーな齧歯類です。

群居性をもつために、個体間のコミュニケーションも密で、「キーキー」や「キューキュー」など多彩な声で意思疎通を図ります。

同じ草食性のウサギとの大きな違いは、体内でビタミンCを作るのに必要な酵素を持っていないことです。
そのため、エサからビタミンCを摂らないと病気になります。
ビタミンCを含有しているモルモット用のフードを与えてください。

繁殖特性

モルモットの妊娠期間は59~72日でウサギの約2倍です。
産子数は2~4匹で、2~4週齢で離乳が完了します。

モルモットは巣作りをしないので完全成熟型です。
新生子は生まれたときから目は開いており、毛も歯も生えていて、生後2日目には固形物も草も食べ始めます。

生理学的特徴

HEALTH CARE

健康管理

ご家庭で行う健康管理

体重管理・食欲のチェックしましょう
健康を守るためにも食べさせてはいけない食品や作物を把握し与えましょう。
フード(牧草・ペレット)は与える量を管理して、日頃から食欲があるかチェックをしましょう。
排便・排尿のチェックをしましょう
便・尿の回数や形や色などを把握することで、日々の健康チェックができます。
定期的にお手入れ(ケア)をしましょう
日々のケア(爪切り・(長毛腫)ブラッシング)をすることで、皮膚の健康状態を保ちます。
またケアしながらボディチェックを日頃から行うことで、病気の早期発見につなげる事ができます。
コミュニケーションをとりましょう
日頃からコミニケションをとることで人に慣れ、ストレスのない環境が健康維持にもつながります。
また、コミュニケーションをとる事で定期的に健康状態をチェックしたり、病気やケガをしたときに処置や薬を服用しやすくなります。
※ストレスに弱い動物なので、過度なふれあいや環境の変化には気を付けましょう。
動物病院で健康診断を定期的に行いましょう
病院での健康診断を定期的に行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。

年齢比較表

HUSBANDRY

飼育環境

飼育は単独でも複数でも可能とされています。

敏感な精神面をもち、環境を突然変えると活動性や食欲の低下を示すため、静かでストレスの少ない環境で飼育することが理想です。
暑さよりも寒さに強く、好適温度は18~26℃です。

飼育ケージ

市販されているウサギ用のケージを利用することが多いです。
モルモットは大きく飛んだり、跳ねたりしないため、後肢で伸び上がれるほどの高さがあるケージで飼育することも可能です。

ケージ内に必要なもの

床材
牧草や木製チップを敷く場合は、排泄物で不衛生になりやすいため、こまめに掃除をします。
すのこを利用する場合は四肢を引っかけることにり、外傷や骨折が起こる危険性もあるため、隙間の小さいものを用意します。
エサ入れ、水入れ、牧草入れ
食器は不安定だとすぐにひっくり返されてしまうため、重い素材の器を用意します。
モルモットは器からでも、給水ボトルからでも水を飲むことができますが、器の場合排泄物が混ざったりと不衛生なので、給水ボトルを使用した方が良いです。
(給水ボトルで上手に飲めない子もいるので、水の飲みが悪い時は、器に変えます。)
エサ入れは、陶器・プラスチックなど、素材の種類も豊富なのでその子の性格に合わせて選びます。
トイレ
モルモットは体の割には排泄量が多く、トイレを覚える子と、覚えない子がいます。
トイレを設けないことが多いですが、設置する場合はウサギ用のトイレが市販されていますのでそれを使用します。
トイレ砂とペットシーツを併用して使うことが多いようです。
ペットシーツを使用する場合は間違えて食べてしまわないようにネットなどのふたを兼用すると良いです。
その他
狭い所に隠れたり潜ることが好きな動物です。
かじっても安全な木製のキューブハウスやチモシー素材のハウスを入れてあげるのも良いです。

フード(エサ)

消化器の運動性低下や歯科疾患を予防する上で、乾草を与えることは重要です。

乾草(チモシー)
アルファルファなどのマメ科乾草を好みますが、たんぱく質・カルシウムの含量が高く、成長後のモルモットには肥満や尿石症の恐れがあるので制限する必要があります。
主にイネ科の乾草(チモシー等)を与えます。
ペレット(モルモット用フード)
ビタミンCが含まれているモルモット用のフードを与えます。
数種類の穀類・野菜・種子を混ぜたモルモット用フードが市販されていますが、嗜好性の高いものだけを選んで食べる傾向があることから栄養バランスが偏るためシンプルな物を与えます。
野菜
ビタミンC摂取が必要なことから『豊富に野菜や果物を与えることが重要』と解釈している場合が多いですが、与える量はおやつ程度に留めます。
(キャベツ・きゅうり・りんご・バナナなど)

CASE STUDIES

よくある疾病・治療例