CLASSIFICATION
爬虫鋼 Reptilia、カメ目 Testudines、首の収納方法により、曲頸亜目と潜頸亜目に大別され、それぞれに 15科、300種類に分けられます。
カメは生活様式において下記のように分けられます。

水棲カメ
スッポン、ワニガメ、ウミガメ、スッポンモドキ など。 |
半水棲カメ
ミシシッピアカミミガメ、ニホンイシガメ、クサガメ など。 |
陸棲カメ
モエギハコガメ、セマルハコガメ、オオヤマガメ など。 |
完全陸生カメ
スッポン、ワニガメ、ウミガメ、スッポンモドキ など。 |
特徴・生態
カメは歯を持たず、嘴を持ちます。
この嘴は肉食のカメほど嘴は鋭くなり、草食のカメほど繊維質をすり潰すために臼のように厚い構造になっています。
体は他の爬虫類と異なり、大部分を大きな甲羅、皮膚は鱗にて覆われています。
甲羅は生活様式によって形状が異なります。
水棲のカメであれば、水の抵抗を抑えるため、流線形の滑らかな甲羅になります。
また、体全体ではないが少しずつ脱皮をする動物です。
水棲カメ
水中で生活。 手足を動かして水をかく必要があるため、オールのようなヒレ様の構造となります。 |
半水棲カメ
水中と陸地で生活。 指と指の間に水かきがあります。 |
陸棲カメ
湿度のある陸地で生活。 外敵から自身を守るためにドーム状の甲羅になります。 陸棲になると水かきは必要なく、体重を支える必要があるため、指と指が分かりにくく、太く丈夫な手足になります。 |
完全陸生カメ
一生陸地で生活。 見た目は陸棲と変わりません。 |
繁殖特性
カメの種類によって繁殖期や成熟期が異なりますが、性成熟は飼育下では雄で約3~5年、雌で約4~10年ほどされています。
水棲カメ
・スッポンモドキ
7月~11月に産卵するといわれています。
年に2回産卵し、産卵数は約30個(1回)ですが繁殖は容易ではありません。
半水棲カメ
・イシガメ
春に発情期を迎え雨季~夏に産卵します。
性成熟期は雄は約3年、雌は約10年。年に1~3回産卵し、産卵数は約1~12個(1回)です。
・クサガメ
6月~8月に産卵します。
年に1~3回産卵し、産卵数は約1~14個(1回)です。
陸棲カメ
・セマルハコガメ
4月~6月に産卵します。
年に1~3回産卵し、産卵数は約2~6個(1回)です。
完全陸生カメ
・ビルマホシガメ
10月~2月に産卵します。
年に1~2回産卵し、産卵数は約4~8個(1回)です。
ヘルマンリクガメは、春に発情期を迎え雨季~夏に産卵します。
性成熟期は約10年。年に1~3回産卵し、産卵数は約2~12個(1回)です。
・ギリシャリクガメ
北アフリカに分布する個体は5~6月、ユーラシア大陸中近東に分布する個体は7月までに産卵します。
年に1~3回産卵し、産卵数は約2~8個(1回)です。
・インドホシガメ
雨季に発情期を迎え産卵します。
性成熟期は雄は約6~8年、雌は約8~12年。年に2~4回産卵し、産卵数は約2~10個(1回)です。
・ヒョウモンリクガメ
5~6月もしくは10~11月頃に産卵します。
年に5~7回産卵し、産卵数は約5~30個(1回)です。
生理学的特徴
水棲カメ
スッポンモドキ
項目 | データ |
---|---|
身長 | 甲長約55cm(最大70~80cm) |
繁殖形態 | 生卵 |
半水棲カメ
イシガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長雄5~12cm 雌15~21cm |
クサガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長雄約17cm 雌約30cm |
陸棲カメ
セマルハコガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長雄5 甲長約19cm |
完全陸生カメ
ビルマホシガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長約30cm |
ヘルマンリクガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長約35cm |
ギリシャリクガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長約30cm |
インドホシガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長約38cm |
ケヅメリクガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長約70cm |
ヒョウモンリクガメ
項目 | データ |
---|---|
大きさ | 甲長約70cm |
HEALTH CARE
ご家庭で行う健康管理
水棲カメ(半水棲カメ)
体重管理・食欲のチェックしましょう フードはバランスのとれた餌を用意し、与える量を管理して日頃から食欲があるかチェックをしましょう。 |
環境管理をしましょう 温度や湿度を管理し、日光浴やホットスポットを用意するなどゲージ環境を整えて健康管理をしていきましょう。 |
水質管理をしましょう 水質が悪化すると細菌感染の原因になる為、水場の管理や掃除をして管理していきましょう。 |
動物病院で健康診断を行いましょう 病院での健康診断を行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。 |
完全陸生カメ
体重管理・食欲のチェックしましょう フードはバランスのとれた餌を用意し、与える量を管理して日頃から食欲があるかチェックをしましょう。 |
環境管理をしましょう 日光浴やホットスポットを用意したり、床材で湿度を調整するなど温度や湿度を管理しゲージ環境を整えて健康管理をしていきましょう。 |
水質管理をしましょう ゲージ環境を管理していきましょう。 |
動物病院で健康診断を行いましょう 病院での健康診断を行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。 |
平均寿命
水棲カメの平均寿命 | |
---|---|
二ホンイシガメ | 平均30~40年 |
クサガメ | 平均30~40年 |
スッポンモドキ | 平均20~25年 |
陸生カメの平均寿命 | |
---|---|
ビルマホシガメ | 平均40~50年 |
ヘルマンリクガメ | 平均40~50年 |
ギリシャリクガメ | 平均40~50年 |
インドホシガメ | 平均40~50年 |
ケヅメリクガメ | 平均40~50年 |
ヒョウモンリクガメ | 平均40~50年 |
HUSBANDRY
カメは変温動物であり、体温は外気温に影響を受ける外温動物です。
活動する際は外気温で体を温めて代謝機能を高めてから活動し始めます。
極端な低温である場合、体の代謝機能が低下し、体調不良を起こしたり、冬眠に入ったりします。
カメにとって住みやすい好適温度、湿度はそれぞれの種の生息環境や飼育環境によって異なります。
水棲カメ
24~30℃(種によって多少異なる)熱帯魚と同じアクアリウムによる飼育環境が基本です。 |
半水棲カメ
26~29℃(種によって多少異なる) 陸上部分と水中部分の両方をつくるアクアテラリウムによる飼育環境が基本です。 |
陸棲カメ
25~32℃(種によって多少異なる) 陸上部分を設けた湿度の高いテラリウムによる飼育環境が基本です。 |
完全陸生カメ
28~31℃(種によって多少異なる) リクガメなどは乾燥した地域に棲息しているタイプは乾燥したテラリウムによる飼育環境が基本です。 |
飼育ケージ
水棲カメ
スッポン、ワニガメ、ウミガメ、スッポンモドキ など。 飼育用水が多いため、体長の4倍以上の大きさの水槽や衣装ケース、コンテナなどを利用します。 |
半水棲カメ
ミシシッピアカミミガメ、ニホンイシガメ、クサガメ など。 飼育用水が多いため、体長の4倍以上の大きさの水槽や衣装ケース、コンテナなどを利用します。 陸地も必要とするので深めの容器がオススメです。 成長すると60cm以上になる個体もいるため、ある程度の大きさになったらベランダ・庭飼いがオススメです。 その場合、入浴できるように大きめの容器と日差し除けが必要です。 また、脱走しないように網を張ったり穴を掘ってブロック等で囲むなど工夫が必要です。 |
陸棲カメ
モエギハコガメ、セマルハコガメ、オオヤマガメ など。 湿度が保てるような水槽やコンテナボックスを利用します。 床材を必要とするので深めの容器がオススメです。 成長すると60cm以上になる個体もいるため、ある程度の大きさになったら温度管理のできる室内飼いもオススメです。 その場合、入浴できるように水入れが必要とされるので防水・衛生対策をする必要があります。 |
完全陸生カメ
ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ホシガメ、ケヅメリクガメ など。 乾燥を好むため、爬虫類用の通気性のよいタイプやコンテナボックス、プラ船を利用します。 床材を必要とするので深めの容器がオススメです。成長すると60cm以上になる個体もいるため、ある程度の大きさになったら温度管理のできる室内飼いがオススメです。 乾燥に強い陸カメならベランダ・庭飼いもオススメです。 どちらも入浴できるように水入れが必要とされるので防水・衛生・対策をする必要があります。 また、日が当たる場所では日差し除けや脱走防止対策が必要です。 |
ケージ内に必要なもの
水棲カメ
床材 スッポンは、体が隠れるぐらいの厚さを用意する。 飲み込んでも排出しやすいように細かく角のないものを使用する。 |
温度(水温)管理 22~28℃程度を保てるように、冬場はサーモスタットを使用してヒーターの温度調整を行い、夏場はファンや冷却クーラーを用意する。 また、ヒーターはやけどしないようにカバーを付けます。 |
照明・日光浴用 紫外線不足は代謝性骨疾患の原因になるうる為紫外線ライトを使用してください。 メタルハライドランプやアクアリウム用蛍光灯やスワンプグローなどがあります。 |
ろ過装置 水の深さに合わせた、ろ過装置を利用します。 カメは魚より水を汚しやすいので濾過能力が高いフィルターを選びます。 |
陸地・浮島 甲羅干しを好むスッポンの仲間には、体が乗るサイズの浮き島、レンガなどのブロックを積み上げておきます。 |
その他 温度管理のために水温計が必要です。 水をよく汚すのでこまめに交換するために、水中ポンプや予備の水槽など掃除道具一式が必要です。 |
半水棲カメ
床材 水草用のソイルは水中で舞い上がるので、赤玉土、アクア用底砂(小粒)など、飲み込んでも排出しやすいように「細かく角のないもの」を選びます。 |
温度(水温)管理 22~28℃内を保てるように、冬場はサーモスタットを使用してヒーターの温度調整を行い、夏場はファンや冷却クーラーを用意します。 また、ヒーターはやけどしないようにカバーをつけます。 |
照明・日光浴用 紫外線不足は代謝性骨疾患の原因になるうる為紫外線ライトを使用してください。 メタルハライドランプやアクアリウム用蛍光灯やスワンプグローなどがあります。 |
ろ過装置 浅い水で対応できるので、こまめな水替えができれば、ろ過装置は不要です。 使用する場合は、水深が浅くても利用できるタイプを利用します。 (投げ込み式、外部フィルター) |
陸地・浮島 陸地用として石やレンガなどをブロック状に積み上げておきます。 |
その他 温度管理のための水温計が必要です。 水をよく汚すのでこまめに交換するために、水中ポンプや予備の水槽など掃除道具一式が必要です。 |
完全陸生カメ・陸棲カメ
床材 湿度がコントロールしやすい、「腐葉土」「黒土」などを使用します。 最近では、リクガメ専用用土なども販売されているので、それを利用するのも良いです。 爬虫類用の土も流用できますが、誤って食べても危険性の低いものを使用します。 |
温度管理 22~28℃内を保てるように、冬場はサーモスタットを使用して、ひよこ電球やエミートなどの保温電球やパネルヒートで温度調整を行います。 夏場はファンや冷却クーラーを用意します。 |
照明・日光浴用 紫外線不足は代謝性骨疾患の原因になるうる為紫外線ライトを使用してください。 メタルハライドランプやアクアリウム用蛍光灯やスワンプグローなどがあります。 |
湿度管理 種によって適切な湿度が異なります。湿度が高くなる場合は、エアコンや除湿器で調整します。 |
シェルター 体が十分に収まるサイズを用意します。 |
エサ・水容器 水浴び兼用のもの、もしくは飲料用と水浴び用と別に水容器を用意します。(多湿が苦手な種類は不要です) 水浴び用は、カメの体が入る大きさで浅いものを使用します。 エサ入れは、重さのある陶器や安定性のある容器(犬、猫用の容器など)を使用します。 |
その他 湿度計、温度計が必要です。 |
フード(エサ)
水棲カメ
肉食性(スッポン、ワニガメなど) 口に入る程度のサイズに切った茹でた肉、魚介類、金魚、甲殻類(ザリガニ、川エビ)など。 肉の過剰投与はビタミンA欠乏や管障害を起こす可能性があるため注意が必要です。 |
雑食性(カワガメ、スッポンモドキなど) 魚介類、葉野菜類など。 最近では専用配合飼料があるので兼用することも可能です。 |
半水棲カメ
基本的には雑食のため、配合飼料を中心に野菜類や魚介類を食べやすい大きさにして与えます。
草食傾向の強いカメ 葉野菜類を中心に、配合飼料を混合。 |
肉食傾向の強いカメ 茹でたササミ、砂肝、イカ、エビなどの魚介類に配合飼料を混合。 |
陸棲カメ
ミルワームやコオロギなどの昆虫や、ゆでた鶏のササミや砂肝、冷凍エビを適度に用意して与えます。 チンゲン菜、小松菜、キャベツ、トマト、キュウリなどの野菜、リンゴ、バナナ、キウイ、などの果物も用意します。 淡黄色野菜を中心に摂取しているとビタミンAの不足になってくるため、緑黄色野菜もバランスよく与える必要があります。 「カルシウム」を必要に応じて投与します(爬虫類用のカルシウム剤) |
完全陸生カメ
チンゲン菜、小松菜、キャベツ、トマト、キュウリなどの野菜、 リンゴ、バナナ、キウイ、などの果物も用意します。 淡黄色野菜も中心に摂取しているとビタミンAの不足になってくるため、緑黄色野菜をバランスよく与える必要があります。 「カルシウム」を必要に応じて投与します(爬虫類用のカルシウム剤) |



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