CLASSIFICATION

分類

カエルは脊椎動物門 Chordata、両生綱 Amphibia、無尾目 Anura に属しています。
水辺で生活している種がほとんどで約6,500種類が確認されています。

基本成体は水辺で陸地と水中で生活することが多いですが、ペットとして飼育されるカエルは棲息環境により、下記の通りに分けられます。

樹上棲カエル

アマガエル、シューレゲルアオガエル、アカメアマガエル、イエアメガエル、クサガエルなど

地上棲カエル

ベルツノガエル、クランウェルツノガエル、チャコガエル、コノハガエル、ヒキガエルなど

半水棲カエル

アカガエル、スズガエル、ウシガエルなど

水中カエル

コモリガエル、ヒメツメガエル、アフリカツメガエルなど

地中カエル

アメフクラガエル、パグガエル、アナホリガエル など

特徴・生態

幼体は尾があり、手足のない一般的にオタマジャクシと呼ばれる形態で、成長し変態することにより尾のない手足の生えたよく見慣れた成体になります。

オタマジャクシの時代はエラで、変態して生体になると主に肺で呼吸を行いますが、皮膚でも呼吸を行います。
湿度が低くなると皮膚からの呼吸が上手くできなくなるため、湿度管理が重要となります。

変温動物であり、外気温の影響を受けるため、気温が10℃以下になると冬眠します。
食性は肉食性であり、昆虫などを食べます。

繁殖特性

カエルの種類によって繁殖期や成熟期が異なります。

樹上棲カエル

アマガエル
4~9月に発情期を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊を数か所に産みます。

シューレゲルアオガエル
 4~8月に発情期を迎え産卵します。産卵は、泡巣をつくり卵を産みます。

アカメアマガエルアカメアマガエル
5月~11月に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

イエアメガエル
3月~7月に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

地上棲カエル

・ツノガエル
 雨季に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

・チャコガエル
雨季に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

半水棲カエル

・アカガエル
1~3月に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

・スズガエル
1~3月に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

水中カエル

・ヒメツメガエル
春~雨期に発情を迎え産卵します。産卵は、卵が含まれる卵塊をつくり産みます。

生理学的特徴

樹上棲カエル

アマガエル

シューレゲルアオガエル

アカメアマガエル

イエアメガエル

地上棲カエル

ベルツノガエル

クランウェルツノガエル

チャコガエル

コノハガエル

ヒキガエル

半水棲カエル

アカガエル

スズガエル

水中カエル

コモリガエル

ヒメツメガエル

アフリカツメガエル

地中カエル

アメフクラガエル

パグガエル

アナホリガエル

HEALTH CARE

健康管理

ご家庭で行う健康管理

体重管理・食欲のチェックしましょう
フードはバランスのとれた餌を用意し、与える量を管理して日頃から食欲があるかチェックをしましょう。
環境管理をしましょう
温度や湿度を管理し、ゲージ環境を整えて健康管理していきましょう。
水質や床材の管理をしましょう
水中棲カエルは、水質が悪化すると細菌感染の原因になる為、水場の管理や掃除をして管理をしていきましょう。 陸棲・半陸棲カエルは床材で湿度を調整したりこまめに掃除をして管理していきましょう。
動物病院で健康診断を行いましょう
病院での健康診断を行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。

平均寿命

HUSBANDRY

飼育環境

カエルは変温動物であり暑さ寒さの変化に弱く、冬は土の中に入って冬眠する個体が品種が多い為、極端に暑くしたり寒くしないよう温度管理が必要です。
また、呼吸の大部分を皮膚呼吸で補っている為、皮膚が乾燥すると酸素を取り入れられなくなるので、皮膚が湿った状態を維持できるな環境にしましょう。

樹上棲カエル

温度22~27℃。(種によって多少異なる)湿度70%前後。
枝など樹上で過ごせる飼育環境が基本です。観葉植物などで高さのある立体的にレイアウトした「テラリウム」が最適です。

地上棲カエル

温度22~27℃。(種によって多少異なる)湿度70%前後。(土は熱がこもりやすいため注意が必要です。)
陸上のみ設けた湿度の高い飼育環境が基本です。水場がなく、床材に土や水苔を敷く「テラリウム」が最適です。

半水棲カエル

水中温度25~28℃。飼育温度23度~30度以内。(種によって多少異なる)湿度70%前後。
大きめの陸上と水場を両方設置した飼育環境が基本です。石や砂、流木や観葉植物を陸場に設置し水場に浮島、水草など隠れ場をレイアウトした「アクアテラリウム」が最適です。

水中カエル

水中25~28℃。(種によって多少異なる)湿度70%前後。
水場のみの飼育環境が基本です。水槽内にはあまりレイアウトせずしっかりオープンスペース用意した「アクアリウム」が最適です。

地中カエル

温度23~26℃。(種によって多少異なる)湿度70%前後。(土は熱がこもりやすいため注意が必要です。)
※乾燥地帯生息のカエルは、湿度が50%を超えると調子を崩すことがありますので、生息地を確認し湿度温度を管理してください。
陸上のみ設けた湿度の高い飼育環境が基本です。保水性のある床材(土、ヤシガラ土、腐葉土)や、乾燥系には極小赤玉土などを敷き詰め水入れを用意したビバリウムが最適です。

飼育ケージ

個体の体の大きさ、習性により異なります。

樹上棲カエル

樹など、身を隠せる植物を設置できるように、高さのあるプラスチックケースが良いです。

地上棲カエル

食餌を待ち伏せて取ります。
そのためケージの高さはあまり必要なく、底面積の広いプラスチックケースが良いです。
脱走防止用にフタが必要です。

地中カエル

小型のカエルが多く、動きが緩慢です。
そのため大きなケージは食餌を捕まえることが難しくなるので、体に合ったプラスチックケースが良いです。

半水棲カエル

水棲のカエルと同様に水漏れの恐れのないケースを選択します。
ただし、陸地の設置が必要となるため、水辺と陸地の両方が設置できるだけの大きさが必要となります。
脱走防止用にフタが必要です。

水中カエル

水漏れの恐れのない水槽やプラスチックケースが良いです。
脱走防止用にフタが必要です。

ケージ内に必要なもの

床材
土(赤玉土、腐葉土など)は保湿性に富んでおり、排せつ物などをバクテリアに分解させることで自浄作用を期待できますが、汚れが分かりにくくなるため、衛生管理が大変になります。

地中生活のカエルでは床材の土が重要になります。
床材は9cm以上敷つめ、土の湿り具合を三層構造にします。
一番底の層(2~3cm程)は常に湿っている状態にします。
中間の層は少し湿っている状態にします。
表層は湿ってはいてもすくってぱらぱら落ちる程度に調節します。


スポンジシートやキッチンペーパーは湿らせると保湿効果が高く、汚れもわかりやすい為利便性が高いです。
温度管理
22~27度くらいに温度が維持できるように管理します。
地上生活をするタイプはパネルヒーターなどのケージの下に敷くタイプが使用できます。
水棲のタイプではサーモスタットや熱帯魚用のヒーターなどで温度管理をします。
その他のカエルに関してはエアコンなどの空調にて温度管理をします。
温度管理する上で地中は熱をため込みやすいため、地中温度の上昇に注意が必要です。
湿度管理
通気性を保つことは重要ですが、乾燥には弱い種が多いです。
種によっては適切な湿度は10~100%と差があるため、床材の種類を考え観葉植物をおき、必要に応じて霧吹きで湿度調整を行います。
観葉植物
ケージ内の見栄えや湿度の調整に役立ちます。
また、カエルの身を隠す場所や、糞などの有機物を分解してくれたりと良好な環境が作れます。
植物は湿度に強い種類を選びます。
シェルター
陸上生活するカエルのために設置します。
身を隠し、外敵から身を守り、獲物を待つ際に利用します。
照明
夜行性のカエルの場合は紫外線ランプは基本必要としません。
ただし、体内リズムを整えるために光を浴びる必要があります。
日照時間は代謝活動やホルモン分泌に関与していると言われています。1日「10~12時間」を目安に明るくしてあげてください。

フード(エサ)

カエルは基本的に視覚でエサを見分けるため、メインは生き餌を与えます。
成体化したカエルは、2〜3日に1回か、1週間に1〜2回のペースで問題ありません。
ただし、エサは与えた分だけ食べてしまうため、個体のサイズとエサのサイズが合っているか、1回の給餌量が多過ぎてないかチェックしながら与えてください。

樹上・地上・地中カエル

ハニーワーム、シルクワーム、ワラジムシ、コオロギ、ショウジョウバエなどの昆虫。
ツノガエルやウシガエルなどの大型カエルには、ピンクマウスが可能ですが与えすぎは肥満になるため、気を付ける必要があります。
一部のカエルには専用ペレット(人工飼料)が販売されているので活用する方法もあります。

水棲カエル

雑魚やメダカ、金魚、ザリガニ、モエビなど。
一部のカエルには専用ペレット(人工飼料)が販売されているので活用する方法もあります。

CASE STUDIES

よくある疾病・治療例