このページでは、フトアゴヒゲトカゲ・ヒョウモントカゲモドキについて紹介しています。

CLASSIFICATION

分類

フトアゴヒゲトカゲ

学名は Pogona vitticeps、有鱗目 Squamata-アガマ科 Agamidae-アゴヒゲトカゲ属 Pogona に分類されています。

野生のフトアゴヒゲトカゲは、オーストラリア中部~東部の乾燥地帯に生息しています。

特徴・生態

昼行性で紫外線を必要とし、威嚇する時に顎ヒゲを大きく膨らませるのが特徴です。

発情期の雄や体調不調、ストレスを感じた際は下顎部が黒変することがあります。
尾は一度切断されると再生しません。

飼育下での寿命は10~15年と言われています。

雌雄鑑別は幼体では困難ですが、成体であれば総排泄腔付近の形体の違いから判別することができます。
雄の場合は、総排泄腔尾側にある二峰の膨らみと中央部に窪みがあります。
雌の場合は、総排泄腔尾側は平らで膨らみはありません。

繁殖特性

フトアゴヒゲトカゲの繁殖には雌の体力が必要です。

生後6カ月から1年半ほどで性成塾はしますが繁殖を希望する場合は生後2~3年ほど待って行うとよいとされています。
尚、繁殖にはクーリング期間を設ける必要があります。

温度変化の刺激によって繁殖期を演出する必要があります。
夜間の温度を徐々に下げ、エサを食べなくなってきた頃にまた温度を上昇させクーリング期間を設けます。

雄は発情すると顎の下が黒くなり、尾の付け根と後ろ足の突起が発達し目立ちます。
タイミングよく繁殖を行うと、一度に15~30個の卵を産みます。

また最近では爬虫類の販売には規制が多く、手続きも必要になります。

生理学的特徴

HEALTH CARE

健康管理

ご家庭で行う健康管理

体重管理・食欲のチェックしましょう
フードはバランスのとれた餌を用意し、与える量を管理して日頃から食欲があるかチェックをしましょう。
環境管理をしましょう
温度や湿度を管理し、全体・局所保温やゲージ環境を整えて健康管理をしていきましょう。
動物病院で健康診断を行いましょう
病院での健康診断を行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。

年齢比較表

HUSBANDRY

飼育環境

フトアゴヒゲトカゲは寒さが苦手な為、ベビーでは「昼間は 28~30℃」「夜間は 25~26℃」 アダルトは「昼間は 20~30℃」「夜間は 25~26℃」に温度を保つ必要があります。
また、体温調整ができない変温動物の為、クールスポット(涼しいところ)とホットスポット(暖かいところ)を1つのケージ内につくることが理想的です。
温度勾配を設けることで、自身で体温調節を行うことができます。
湿度は昼間は「30~40%」夜間は「40~60%位」にを目安に管理しましょう。
湿度が低い過乾燥の場合、脱水や脱皮不全をまねく恐れがあります。
ケージ内に水入れを設置したり、ゲージのガラス面に霧吹きをしたり調整します。
雨季の時期など湿度が高い多湿が続くと皮膚病のをまねく恐があります。
小型扇風機やファン、室内を除湿するなど調整します。

当院では脱皮不全の介助の処置も行っております。まずは当院にお問い合わせください。

飼育ケージ

十分な広さのケージを用意します。

60~90cm以上の幅のある大きさのものが良いです。
低温が苦手なため、パネルヒーターや電球が取り付けやすりケージが良いです。

ケージ内に必要なもの

床材
乾燥地帯に生息するため、砂漠の砂を模した天然砂や、粒の細かいクルミ殻、モミの樹皮などが利用できます。
幼体は、細かい床材を誤飲することもありますので「ペットシーツ」などを利用することをオススメします。
照明
本来なら、日中は日光浴をし、日陰に移動しながら自身で体温調整を行いますが、飼育下では難しいため、日中は紫外線器具を使用して照射します。
骨形成には紫外線がとても重要です。
紫外線器具を設置する際は照明と成体の距離に十分気をつけます。
ケージ内の流木や岩、シェルターなどの上に乗った時に照明機器との距離が近くなり、眼球障害や低温火傷になる場合があります。
温度調整
バスキングランプなどを用意してホットスポットを設置し、飼育温度を保たせてください。
ホットスポット以外の場所は、やや低めに設定することで、フトアゴヒゲトカゲ自らが体温調整できるようにすることがポイントです。
ただし、幼体期は低温に弱いため、特に注意します。
シェルターなど
野生では、半樹上性の生活を送っているため、ケージ内に流木や岩など、またランプ照射を避けて休息できるようにシェルターなどを入れてあげると良いです。

積極的に水を飲む個体は少ないですが、脱水には気を付ける必要があるため、霧吹きで水滴を作ったり、スポイトなどで水滴を垂らしたりします。
エサ入れ
高さの低い、倒れにくい陶器製の物を用意します。

フード(エサ)

基本は『昆虫』がメインの餌です。

昆虫
栄養価が高く、幼体には欠かせない餌です。コオロギ、ミルワーム、ディビュア、などがあります。
幼体期は昆虫を好む個体が多いです。
餌を捕まえるのが下手な個体はピンセットで与えたり、コオロギの足を除去して与えるなどしてください。
野菜・果物
野菜・果物は副食程度に与えます。
野菜は小松菜、モロヘイヤなどはカルシウム含有量が高い野菜が良いです。
カルシウム不足を補う意味でも葉野菜を与えると良いです。
果物は糖分が多すぎるので、栄養が偏らないように与える分量には注意が必要です。
ペレット(フトアゴヒゲトカゲ専用人工飼料)
フトアゴヒゲトカゲ専用フードがあります。
昆虫粉末を中心に繊維質、ビタミン、カルシウムをバランス良く配合した飼料を選びます。
カルシウム剤、ビタミン剤
通常の餌をあたえても栄養が足りない事がある為、粉末のカルシウム剤とビタミン剤を用量を守り適量を餌にふりかけます。

CASE STUDIES

よくある疾病・治療例

CLASSIFICATION

分類

ヒョウモントカゲモドキ

ヤモリの仲間で爬虫綱 Reptilia-有鱗目 Squamata-トカゲモドキ科 Eublepharidae-トカゲモドキ属 Eublepharis に分類されます。

学名 Eublepharis maculariusといい、英名では LeopardGecko(レオパードゲッコー)と呼ばれ、爬虫類ファンから「レオパ」の愛称で親しまれています。

日本のペットとして登場したのが1980年代で、当初は野生採取個体でしたが、現在ではほとんどが飼育下で繁殖された個体です。
繁殖された個体は、さまざまな色彩豊かな形態がみられ、人気はさらに高まっています。

野生では、アフガニスタン、インド北西部、パキスタンなどに生息しています。
土や砂礫が混じった地面、大小の岩、乾燥に強い植物がまばらに生えているような環境です。

特徴・生態

全長20~25cm、体重60g前後、飼育下では10~15年程度です。

ヤモリですが、瞬きのできる瞼があります。
睡眠時やまぶしい時は閉じることができます。

太い尾が特徴で、なかには身体と同じ位の太さの個体もいます。
尾には、栄養を蓄積する機能があり、食べなくても数か月生きることができます。

また、驚いたり、乱暴に尾を捕まえると自ら尾を切り離す自切という行動をとります。
自切後の尾は再生しますが、元通りの尾ではなく、再生尾には骨はなく、突起状の鱗が目立ちません。
再生尾は元の尾よりも短くやや太くなる傾向があります。

本来は夜行性で、昼間は巣穴でじっとしていることが多いです。
定期的に脱皮をしますが、乾燥した環境ではうまく脱皮できないことが多いため、適した湿度も必要です。

雌雄の鑑別は、雄の場合、総排泄腔の頭側にブツブツと丸く窪んだ前肛孔が一列に並んでいます。
総排泄腔の尾側(尾の付け根)にヘミペニスが収納されているため、一対の膨らみがあります。

また、頭部は雌より大きく少しエラが張るような感じです。
逆に、雌の場合は前肛孔やヘミペニスの膨らみは認められませんし、頭部は雄のように横幅は広くないです。

繁殖特性

ヒョウモントカゲモドキの繁殖では相性があります。個体同士で喧嘩をして負傷したり、雌の発情を促す過程で死亡することがあります。

また、卵づまりや産卵後に痩せてしまうこともあります。
出産は一度に2個の卵を産み、それを1~6日(多い時は10日程)繰り返します。
よって1日の繁殖で2~20匹の新生子が誕生することになります。

また最近では爬虫類の販売には規制が多く、手続きも必要になります。
以上のことからしっかりとした目的と知識、準備を持って臨むことが必要です。

生理学的特徴

HEALTH CARE

健康管理

ご家庭で行う健康管理

体重管理・食欲のチェックしましょう
フードはバランスのとれた餌を用意し、与える量を管理して日頃から食欲があるかチェックをしましょう。
環境管理をしましょう
脱皮不全にならないように温度や湿度を管理し、ゲージ環境を整えて健康管理をしていきましょう。
動物病院で健康診断を行いましょう
病院での健康診断を行い健康状態を知ることで、普段の健康管理につなげていきましょう。

年齢比較表

HUSBANDRY

飼育環境

過乾燥にならないよう湿度管理ができる環境にしましょう。
湿度が低いままの場合は、脱皮不全をまねく恐れがある為、湿度は昼間は「50~60%」夜間は「70~80%位」に上げ、温度は「25℃程度」に維持します。
ケージ内を霧吹きで湿らせることが一般的ですが、その他にも土を利用した湿度コントロールや、保湿性のあるシェルターあるいはシェルター内に湿らせた水ゴケを入れ、脱皮を安全に促す方法もあります。

※脱皮不全で古い皮が残ってしまった場合、足が浸る程度にぬるま湯を張った容器に入れて温浴させます。
古い皮が柔らかくなるまで2~5分程(長すぎると体調を崩すので注意してください)温浴させたら、綿棒を用いてゆっくりと優しくなでるように皮を取ります。

当院では脱皮不全の介助の処置も行っております。
まずは当院にお問い合わせください。

飼育ケージ

ケージは脱走しないよう工夫されているものを使用します。
夜間はある程度動くため、30~60cm程度の幅が良いです。

レイアウト用に高さがあるものでも良いですが、20~30cm程度で問題ないです。

湿度管理が必要なため、管理ができるように密封性のものではない方がよいです。

飼育環境

床材
誤飲時に体外に排出しやすい赤玉土がオススメです。
ペットショップでは、細かい砂や、砂利、クルミの殻などが床材として売られていますが、砂による腸閉塞がまれにおきますので避けた方が無難です。
最近ではヒョウモントカゲモドキ用の床材もあります。
温度調整
ケージの下に敷く、プレートヒーター(パネルヒーター)がオススメです。
湿度調整
湿度計を用意し調整します。
昼間の湿度は50~60%、夜間は70~80%くらいを維持できるように、霧吹きや水を設置し調整します。
シェルター
野生では、半樹上性の生活を送っているため、ケージ内に流木や岩、プランターなど休息できるようにシェルターなどを入れてあげると良いです。

頻繁に水は飲みませんが、いつでも飲水できるよう溺れる危険性がない浅い容器に水を用意します。

フード(エサ)

昆虫
栄養価が高く、幼体には欠かせない餌です。
コオロギ、ミルワーム、ディビュア、ミミズなどがあります。
幼体期は昆虫をメインにしっかりと与えます。
体が小さく、餌を捕まえるのが下手な個体はピンセットで食べさせたり、コオロギの脚や頭を除去して与えることをお勧めします。
ペレット(ヒョウモントカゲモドキ専用人工飼料)
ヒョウモントカゲモドキ専用フードがあります。カルシウム剤
昆虫粉末を中心に繊維質、ビタミン、カルシウムをバランス良く配合した飼料を選びます。
カルシウム剤
通常の餌をあたえても栄養が足りない事がある為、
粉末のカルシウム剤を用量を守り適量を餌にふりかけます。

CASE STUDIES

よくある疾病・治療例